森の中の一軒家


その家はひっそりと森の奥に佇んでいる。


風と光に愛された者だけが、
その扉をノックできると言われているが、
街に住む誰一人としてその伝説の家を見たことが無い。


左右対称の美しい形と
赤い屋根を持つというその家に、
ゆっくりと足を踏み入れると、
それまで流れていた時が
美しい湖面のように静止する。


そして、
誰もが憧れてやまない
『変化なき永遠のもの』を、
手にすることができるのだ。